送電距離と電力量を上げた無線送電技術【宇宙太陽光発電SSPS】
数日前に宇宙太陽光発電に使われる無線送電の実験が成功したばかりでしたが、早くも距離と送電量を伸ばした長距離実験に成功したようです。
これは三菱重工業が行っている宇宙太陽光発電システムの無線送電技術部分の実験です。
実験は地上で行っています。宇宙太陽光発電システムにSSPSと言う略称も付いているようですね。
この無線送電システムは電波放射型と言われるもののようです。
前回は55mの送電に成功していましたが、今回は500mに距離を伸ばして実験されています。
前回は1.8kWのマイクロ波を受信して300W以上に戻していましたが、今回は10kWの電力をマイクロ波で無線送電して受信した電力の一部でLEDライトを点灯させた、とだけ報じられていますね。
10kWがマイクロ波の量なのか受信した電力なのかは分かりませんが、おそらく受信した電力量でしょうか。前回と比べて距離も送電電力も10倍以上になりますね。
この宇宙太陽光発電システムの太陽光パネルは3万6,000kmの宇宙空間に打ち上げて静止軌道上からマイクロ波、レーザーによって無線送電することになるようです。
静止軌道は地上から見て静止してるように見える軌道なので地球の一点を狙うとすればレーザーの方向を常時大きく傾けたりする制御にはならなそうですね。
無線送電の距離と送電電力は国内最大だ、と言うことで特記してあります。
前回気になっていたマイクロ波が受信ユニット以外の方向へ照射する可能性ですが、マイクロ波方向を制御する制御システムの適用実験も行い問題ないとされたようです。詳細は載ってないですがこれも地上で行われたのでしょうか。
やはり照射方向の制御には高度な制御システムが必要なようで、これから情報が出てくるであろう異常が起きた場合に照射をやめるのか方向を地球からずらすのかなどの所にも注目したい。宇宙に自然災害がないといえど完全に安全な場所と言うわけでもありませんからね、電気回路の異常なども少なからずはあると思います。
地上の実証実験は「宇宙システム開発利用推進機構」が委託を受けた「平成24年度太陽光発電無線送受電技術の研究開発事業」の一環とされていますね。
前回のニュースではJAXA(宇宙航空研究開発機構)しか頭に入ってこなかったのですが、JAXAとはまた別のようで、宇宙システム開発利用推進機構とは衛星システムや打上げ、地上システムに関する研究開発と国際協力を展開行っている財団のようです。この手は名前が似てるし長いので一見間違えそうですね。
無線電力送電技術はこれまで有線で導線ケーブルを使って電流を送っていた物を無線にする技術ですが、今までありそうでありませんでしたよね、やはり使える量の電気を送ろうとするとその間は危険で電波のようにはいかないことからでしょうか、まさに宇宙と地上を結ぶような真上の場所くらいしか今は使えないのかもしれません。受電部の高さもある程度高くなるのではないでしょうか。
そう推測していたのですが、今回の実証実験の成功は地上のさまざまな場面で従来にない長距離の無線送電に道を拓くものとされています。地上同士でつながれることもあるのでしょうか、わずかな電力であれば送電する面積を増やして周りに影響を与えないなどもできそうだとも考えていましたが。
「送電線の敷設が困難であった場所への送電や、洋上風力発電から陸上への送電、また身近な応用例としては、電動車両への無線充電」と地上で多様されることを想定されているようですね。
少々空の影響が心配でもあります。
おそらくこれからさまざまな問題が浮上して解決を繰り返しますが宇宙と地球を結ぶ貴重なラインになる技術なのでマークしていきたい。