地震

メルトダウンした原子炉内部の様子をミュー粒子で見る

福島原発では1~3号機がメルトダウンしましたが、その内の1号機と2号機の炉内の様子が確認されたようですね。
調査には宇宙から降り注ぐ宇宙線の中に確認されているミュー粒子を使った始めての手法です。

溶融した燃料は格納容器内に落ちたと考えられましたが、福島原発1号機を調査した結果、原子炉内部状態は核燃料はほとんど溶融して落ちてしまっていることが確認されました。
格納容器の方でどのような状態になっているのかまでは明かされてないですね。

これから最難関と言われている燃料の取り出し方法を検討していくようです。
核燃料の取り出しにも通常炉内を画像で映すことができないのでこの観測情報を役立てることができますね。

原子炉内を調査できたこともありますが、ミュー粒子を使って調査できたと言うことの方が大きいのではないでしょうか。
新しく使えるようになったこのミュー粒子を使った技術は別の多くの場所でも活用を期待できるでしょう。

原子炉の方ばかり目が行くのはしかたないのですが、ミュー粒子は余り話題に上がりませんね。

ミュー粒子は英語でミューオンやミュオンと呼ばれているようで、素粒子(レプトン)の一種です。ミュー中間子と言う旧称がありましたが中間子とは別種であることが分かってミュー粒子と呼ばれています。

今回は原子炉内部の調査に使いましたが、地震研究ではミュー粒子を使い火山の内部構造を画像化するミューオトモグラフィーが進められているようです。

福島原発で3月14日にメルトダウン状況と原因

3月11日の地震と津波の影響で起きた福島原発事故のメルトダウン(炉心溶融)です。
メルトダウンの発生は1号機は地震発生から5時間後に2号機と3号機は約80時間後の3月14日22時10~50分ごろとされていますね。

原子力安全保安員と東京電力の解析で少しずれはあったようです特に1号機は東京電力の解析だとさらに10時間も遅かったようです。
計算に使った水の量や計算式が違うためで「メルトダウンにいたる経緯はおおむね一致」とされています

メルトダウンが燃料が溶融して落下する炉心溶融で、メルトスルーは融解が進み圧力容器、格納容器の外に漏れ出す炉心貫通です。

このようにメルトダウンしたのは海水注入の決断が遅れたことも大きな原因とされて海水注入問題として話題に上がりましたね。
海水によって容器が腐食して原子炉が使えなくなる廃炉を懸念したためと言われています。

淡水が3月12日19時になくなり中断して海水に切り替わる時には切り替えにより再臨界の可能性を議論されていたが既に海水の注入が始まっていたようです。

稼動していた1~3号機は地震によって自動で制御棒が上がり緊急停止しましたが、その後の送電、電気系統の故障トラブルで冷却がとまり燃料の溶融が始まりました。
4~6号機は点検中でしたが1~3号機は核燃料が落ちメルトダウンの影響で水素が発生しガス爆発で原子炉が4号機と周辺施設を巻き込み大破しています。

5号機と6号機は場所が高かったため津波の被害やガス爆発から逃れて、6号機の発電機が1基のみ被害を逃れたのでそれを交替で使うことで冷却することができています。

1号機は2015年3月19日の発表でミュー粒子を使った新しい調査方法で燃料はほぼ全部溶融したことが確認されています。
燃料がほとんど溶融して格納容器に落下しているメルトダウンです。

対策されないから起きるパンケーキクラッシュの原因とは

建物の1フロアだけがつぶれる、パンケーキクラッシュ
阪神淡路大震災では1階や4階、5階だけなど特定のフロアだけつぶれる被害が相次ぎました。
こうしたビルの倒壊を専門家たちはパンケーキクラッシュ呼び、直下型地震の特徴とも言われます。

この記事は「池上彰と考える巨大地震Ⅲ」のテレビ番組を元に作成された内容になります。
首都直下地震の確率と最新情報、火山の災害や予知。メインページ

地震と火山予知他の他の記事はこちら。
ひずみ集中帯と首都直下地震の予知
火山噴火の種類と地震の仕組みとマグマ発生の関係
火山噴火の予知とリアルタイムで監視する気象庁
わいた温泉郷と富士山噴火の予兆という嘘の数々
半数が間違う地震対策

地震災害パンケーキクラッシュ画像:池上彰と考える巨大地震Ⅲより

パンケーキクラッシュを起こしたビルをよく見てみると鉄筋コンクリートの中から鉄筋がむき出しになっています。

ではなぜ頑丈なはずの鉄筋コンクリートがつぶれたのでしょうか。

パンケーキクラッシュはメキシコの1985年9月19日に起こったマグニチュード8の地震で建物がまるでパンケーキのように縦にグシャッとつぶれたことからこのように呼ばれています。

このメキシコの地震はテスココ湖を埋め立てた特殊な地盤にあったことから、長周期変動という通常より長い周波数、周期でゆれる振動の低周波振動ともよばれ振動でこれによる被害が注目された地震でもあります。

パンケーキクラッシュは軟弱な地盤特性と建築基準の甘さが原因とされて、デザイン性重視をしすぎた建物や駐車場やピロティーなど壁が無い場所、鉄骨のつなぎ目で起こり、柱が上の階を支えることができなくなってそのフロアをつぶすように倒壊します。

1981年に建築基準法が大幅に改正されましたがそれより以前の、現在(2015年)築35年以上のビルは首都直下地震で倒壊する可能性があります。

ゆれを押さえる建築としてオイルダンパーを使う構造があります
オイルダンパーとはビル中央の立体駐車場を囲むように住居棟を作り、その強度の違う二つの建物をゆれを吸収するオイルダンパーでつなぐことで互いにゆれを吸収し打ち消しあい見た目上でもほとんど揺れない建物を建築をすることができます。

見た目やおしゃれじゃないからやらない?つっぱり棒など地震対策について

さまざまな間違った耐震対策
いろいろな耐震対策をされている方も入るかもしれませんが、実際地震が起きたときにほぼ効果が無いと言うようなことも多くあります。
見た目が悪くおしゃれじゃないからと対策をしないことも多いようです。

この記事は「池上彰と考える巨大地震Ⅲ」のテレビ番組を元に作成された内容になります。
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対策されないと起きるパンケーキクラッシュ

つっぱり棒防災対策画像:池上彰と考える巨大地震Ⅲより

この番組に送られた対策の204つの内約40%にあたる77つが間違った地震対策とされました。

例えば天井と棚の隙間に本など物をおいたり小さな隙間にシーツなどを入れて押さえる方法ですがこれは地震が起きるとほぼ効果がありません。
しっかりと人の力で詰め込んでもずれて外れてしまいます。

つっぱり棒で固定する場合は棚の奥側がいいとされています。
棚が揺れたとき後ろには壁があり倒れないですが前にゆれる場合には奥が浮く形になるからでしょうね。

L字型の固定器具で壁に固定するのも良いです。
壁にネジなどで固定する場合には壁の中にある桟の部分にしっかりと取り付けることが重要です。
薄い壁のみにネジを通した場合だとしっかりと固定できなくなります。

棚などの家具の下に敷く転倒防止用のシートがありますがこれは効果的です。これはシートがわずかに壁側に角度を付けて安定させるためです。
しかしダンボールなどを代わりに使った場合には効果がありません。

ジェルマットを使う場合にはホコリや水分に弱いため、頻繁に動かす物の下に使うのはあまりよくないようです。
テレビを固定する場合にはジェルマットが効果的でチェーンで壁に固定するのも良いですが、そのテレビを置いている台を固定するのを忘れてはいけません。

火山噴火の種類と原因、地震の仕組みとマグマの関係について

ここでは3つの火山噴火の種類とマグマが発生し噴火が起こる原理、それに対して地震がどのように関係しているかについて話します。

この記事は「池上彰と考える巨大地震Ⅲ」のテレビ番組を元に作成された内容になります。

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2014年11月25日に熊本県阿蘇山系の中岳が再噴火して、西之島は現在(2015年2月26日)も噴火活動を続け、

山形県と宮城県にまたがる蔵王山にも火山性微動、山対膨張を確認しており、
福島県吾妻山にも噴火兆候がみられ噴火警戒レベルをレベル2に引き上げるなど火山噴火ラッシュを呈した2014年ですが

日本の地下ではいったい何が起こっているのでしょうか。

マグマ学研究の第一人者
神戸大学 海洋研究開発機構の巽 好幸教授によりますと、
(他の記事で地震の発生メカニズムが変わっているので東北から中部にかけて注意が必要と話していたのと同じ人)

マグニチュード9クラスの地震が起こった後に数年以内に火山の噴火が活発化しているとのこと。

これにより巨大地震の後には火山噴火が起きる可能性があります。

火山噴火の3つのパターン
阿蘇山と西之島と御嶽山この3つの火山噴火の違い

阿蘇山の噴火は
マグマ噴火で地中に溜まったマグマが噴出する噴火です、マグマの破片黒い火山灰を含んだ黒い排煙が上がる。

御嶽山の噴火は
水蒸気噴火で地下水がマグマに熱せられ水蒸気となり一気に地表に噴出し白い噴煙を上げる。

西之島の噴火は
マグマ水蒸気噴火で上記二つの噴火が合わさった噴火で白と黒の2色の噴煙を上げる。

火山噴火と地震の因果関係
地震の発生につては、
太平洋プレートまたは海洋性プレートとも呼ばれる。このプレートがマントルの動きに合わせて北米プレートにぶつかり合い、海側のプレートは重い元素や水の割合が高いため重いプレートとして軽い陸のプレートの下にもぐりこみます。

このとき北米プレートの一部が一緒に引きずり込まれ、限界が来て引きずり込めなくなった時に北米プレートがはねて上に押し上げられ地震と津波が同時に起きます。

この太平洋プレートの沈み込みが地震だけでなく、火山噴火に必要なマグマを生み出す働きもあるという。
原理は北米プレートの下のマントルに太平洋プレートと海水が沈み込むことで、水分をマントルの鉱物が取り込み溶けてマグマとなり、マグマ溜まりまでマグマが染み出し上がってきてしまいます。
このプレートの動きがなければマグマ自体がうまれません

日本のマグマ溜まり画像:池上彰と考える巨大地震Ⅲより

ここで発生するマグマですが、上がってくるだけで噴火するわけではないのです。
普段はプレートの動きで北米プレートが押されて圧力がかかっているマグマ溜まりですが、北米プレートがはねたときに一気に圧力が下がりそこにあった水分が水蒸気になります。

その水蒸気がマグマと一緒に上昇し噴火します、炭酸飲料を振った状態からふたを開けて圧力が現象し噴出する時と同じ感覚のようです。

これまでマグニチュード9クラスの地震が起こった後には必ずと言っていいほど火山が噴火しています

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